SUZUKI COFFEE “Bright the Black.”
鈴木コーヒーの60周年記念式典でオープニングを飾った特別映像。一人の青年と鈴木コーヒーの間に起こった実話を題材に、同社が届けたい周年メッセージを織り込んだショートフィルム風の動画を制作しました。
01 Planning
ストーリー仕立てで、間接的にメッセージを語る
コーヒーを通じた豊かなライフスタイルの提供を使命に掲げ、1963年に創業した鈴木コーヒー。MADはこれまでに「雪室珈琲」「芸妓コーヒー」「長岡花火珈琲物語」など、同社のプロダクトを紹介する動画を多数制作してきました。今回のご依頼は60周年記念式典のオープニングで放映する特別映像。伝えたいのは、ブランドが掲げる周年メッセージ 「コーヒーの力で、人々の人生を感動で満たす」です。
表現方法を模索している中でうかがったのが、同社が手掛けるドリップバッグコーヒーで人生が変わった青年のエピソード。伝えたいメッセージと合致していると感じました。そこで、実話をベースにしたショートフィルムのような構成を提案。コーヒーが一人の人生を感動で満たした物語を通して、見る人の心にも小さな感動が生まれることを目指しました。
02 Making
細部まで吟味し、作品の世界観を作り上げる
今回は特に最後の最後までブラッシュアップを重ねてベストな表現を探求しました。なぜなら、絵コンテでは違和感のない流れでも、映像化すると取ってつけたようなセリフに感じる場合があるため。また、情報量が多すぎてメッセージが伝わりにくくなっていたり、説明的すぎて物語に感情移入しにくい部分は、撮影中や編集段階でも大胆に変更します。何度もチーム全員で議論を重ね、制作を進めました。
注目していただきたいのは、映像の明暗やカットの切り替え。言葉ではなく映像で青年の心情や変化を伝えるため、当日はカメラの可動域を広げるレールやクレーン、照明機材を準備して撮影に挑みました。特にこだわったのは、シャワーシーン。影の濃さや青暗いライティングで、心の闇を表現しています。全編を通して、青年の部屋は同じ場所で撮影しました。動画の冒頭と結末を見比べるとガラリと雰囲気が変わっています。小道具や照明、演出の力、映像制作の面白さを感じていただけるのではないでしょうか。
03 Response
最新技術を用いて、表現の幅を広げていく
本作ではVFXと呼ばれる、実写映像に新たな映像効果を加える技術も活用しました。動画の2分56秒、親子の影が映る障子にご注目ください。実際は新品の真っ白な状態で撮影しましたが、VFXで色褪せた雰囲気に加工しています。他にも、動画の2分00秒頃に登場する倉庫のシーン。壁面に架かる「SUZUKI COFFEE」の看板は実在しません。このように、映像の雰囲気を変えるだけでなく、企業色や商品アピールをさりげなく紛れ込ませたい場合にも有効です。
60周年記念式典では多くの関係者に見ていただき、「大絶賛でした!」とうかがっています。完成した動画は、鈴木コーヒーのYouTube公式チャンネルにて公開中。視聴後は映画のように作品を噛み締めていただきたくてエンドロールを加えました。ぜひ、最後までご覧ください。
04 Website
鈴木コーヒー様| YouTube公式チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCeZmscEXajmpz1esTLQdABg