神田板金 “つよく やさしく 美しく -人と自然と共に-”
三条市にある神田板金のインナーブランディング動画を制作しました。創業50周年を機に策定した「つよく やさしく 美しく」という企業理念を、全社員に浸透させることが課題。企業理念をさらに具体的な言葉に落とし込んだ上で映像化。改めて社員の心を一つにする動画を目指しました。
01 Planning
企業理念に込められた思いを言語化・映像化
1970(昭和45)年に創業し、建築板金、外装工事を手掛ける神田板金。2代目社長の神田晃さんと現場スタッフ6名という小さな会社ですが、企業理念をしっかりと掲げ、最近では本社にカフェをオープンするなど精力的に活動しています。今回のミッションは、その企業理念を映像化すること。「つよく やさしく 美しく -人と自然と共に-」。創業50周年を記念し策定された理念ですが、最も伝えたい社員に対して、十分に浸透していないことが課題でした。相談を受けたMADは「映像化」という手段で表現することを提案しました。これまで歩みを共にしてきた社員と意識を共有するために、理念に込められた思いを読み解いて言語化。構成案に落とし込んで提案すると、「すごく分かりやすくなったね」と言っていただき、早速撮影に進むことになりました。
02 Making
課題達成のため、全員参加の撮影を敢行
撮影では2つの点にこだわりました。1つは、建築系の動画でよく見られる、現場のスケール感や迫力を見せるための動画にしないこと。今回動画を届けたい相手は、社員一人ひとりです。現場を記録するのではなく、神田板金が最も誇る「人」を描くことを意識。職人の真剣なまなざしや長年の経験が刻み込まれたごつごつとした手、時折見られる笑顔などを中心に撮影しました。もう1つは、全社員に登場してもらうこと。企業動画では、数名の社員を代表として撮影するスタイルが一般的です。しかし企業理念の浸透という今回の課題をクリアするため、全員参加は絶対条件だと考え、承諾をいただきました。三条市周辺の現場を3日間かけて巡る中で、初めは緊張気味だった職人の方も、徐々に笑顔を見せてくれるように。ちなみに冒頭の川のせせらぎのシーンは、職人の方が教えてくださった場所。三条市の吉ヶ平自然体感の郷で撮影し、動画の中にぜひ取り入れたかった美しい自然の映像を撮影することができました。
03 Response
板金職人の新たな側面を描く動画に
字幕は、情報を正しく明確に伝えたい場合はスムーズに読みやすい横書きが有効です。しかし今回は、詩を読むようにメッセージを感じ取ってもらいたいとのねらいから縦書きにこだわりました。また、画面比率を通常の16:9ではなく4:3で制作。目線が画面中央に集中することで、より間近で見ているような力強い映像になります。完成した動画に対して「すばらしい出来」とおっしゃってくださった神田社長。MADとしても、現場に密着し、板金職人の働く手の美しさや繊細な仕事ぶり、温かい人柄に触れることができた貴重な経験となりました。企業理念の映像化と同時に、板金職人の新たな一面を表現することができたと思います。動画は神田板金のWEBサイトやYouTubeで公開中。職人の皆さんの手元や表情、現場に光が差し込むラストシーンまで、ぜひご覧ください。