新潟薬科大学 “わたし、始めます”
新潟市秋葉区にある新潟薬科大学のプロモーション動画およびTVCMを制作しました。動画制作の目的は、大学の教育方針を発信することよりも、現役高校生のハートに強く響かせること。目的を深掘りした結果、大学生もキャンパスも一切登場しない、オンリーワンの動画が完成しました。
01 Planning
共感を呼ぶため、等身大の高校生を主人公に
病院や薬局で活躍する薬剤師を育成する新潟薬科大学。2023年春の新学科誕生に向け、さらなる認知拡大につなげるための動画制作のご相談をいただきました。これまで使用していたTVCMは「信頼されるプロになる。」という大学のコンセプトコピーをもとに、授業や研究室の様子を映し出す内容でした。今回の動画制作にあたり、大学担当者は他校の動画を多数リサーチ。そして「高校生の心に響くものにしたい。大学生やキャンパスはあえて出さなくてもいい」とのご意見をいただきました。MADは「大学が変わる。私も変わる」をテーマに、高校生を主人公としたストーリーを5案ほど作成。スタイリッシュなものからポップなものまで幅広くご提案した中で、選んでいただいたのは最も情緒的な“エモい”案でした。多くの高校生が、まだ具体的に夢を描けていない状況で進路選択を迫られる現実。悩みも不安もある等身大の高校生を主人公とすることで、多くの現役高校生に共感してもらえる動画を目指す、という方向性が決まりました。
02 Making
繊細な感情の変化を描き、見る人を引き込む
動画で特に丁寧に描いたのは、グラデーションのように変化していく主人公の心情です。前半は将来への不安や迷い。そして青空に虹がかかるシーンを起点に、希望を抱く姿へと変わっていきます。主人公を演じたのは、大橋ニカさん(撮影当時18歳)。プロの役者ではありませんが、過去にもMADの動画に何度か出演してくれています。主人公の表情が動画の出来を左右すると言っていいほど重要なポイントとなった今回。大橋さんはこちらの難しい要求にも見事に応えてくれました。ナレーションはMADにインターンシップに来ていた専門学生が担当しました。学校でアイドルグループとしても活動している彼女。特徴的な声質と、感情を乗せた声の演技が光ります。青空にイラストが描かれる後半のシーンは、虹に触れることがきっかけとなって繰り広げられる主人公の心象風景。現実の風景や建物が一切入らないよう、カメラアングルを細かく調整しました。カラフルなリボンも主人公の感情を表現する重要なアイテムです。風になびく軽さや、日に当たったときの透け感まで吟味して制作しました。
03 Response
本編とは別の角度で動画を楽しむ仕掛けも
編集で重視したのは、映像、ナレーション、BGMの間(ま)のバランスです。最初から最後まで引っかかることなくストーリーに入り込めるよう細部まで調整して仕上げました。実は、撮影前の絵コンテとナレーション原稿の段階で「感動して泣きそうです。ぐっと来ました」と話していた担当者。完成後の試写会でも大変喜んでくださいました。それは企画の芯を理解していただき、共有した上で進めることができた結果だと思います。担当者以外の学校関係者からも「物語の続きが見たくなりました」とうれしいお言葉をいただきました。YouTubeでの再生回数は、公開から約2週間で14,000回以上と好スタート。また、違った角度からも動画を楽しめるようメイキング動画も公開しています。本編と合わせて視聴してもらい、新潟薬科大学により親しみを感じてもらえたらうれしく思います。