第一興商 “釜石物語”
カラオケ事業を展開する第一興商のオーナー募集用映像です。実話をもとに、人と地域のつながりから事業の本質を描いたドキュメンタリータッチの一本に。サプライズ演出も準備し、数字では語れない価値を立体的に表現しました。
01 Planning
ドキュメンタリーで事業価値を伝える挑戦
株式会社第一興商は全国でカラオケ事業を展開し、地域に「人が集まる場所」をつくり続けてきた企業です。今回はビジネス展示会への出展にともない、ブースで上映するPR映像の企画・制作をMADが担当。従来のPRとは一線を画し、あえてドキュメンタリーで事業価値を伝える挑戦です。
企画の出発点となったのは、事前に共有されたnote記事。震災で大きな被害を受けた岩手県釜石市で、地域の灯りを取り戻そうと奮闘し、街で唯一のカラオケ店を再開させたオーナーの実話です。この事例をもとに、数字では語れない「人と地域の物語」を描く構成を提案。オーナーの想いに、支える人々や地域の声を重ね合わせ、収益だけではないフランチャイズ事業の価値を感じてもらえる映像を目指します。


02 Making
一度きりの本音を捉える少数精鋭体制
まずはロケハンでオーナー本人や関係者にヒアリングを実施。物語の核を整理して、構成や撮影スケジュールを固めます。撮影本番は、ドキュメンタリーを得意とするディレクターが、自らカメラを回す少数精鋭体制で臨みました。大人数では生まれない「日常の延長のような空気」で、地域の人々の自然な表情を引き出します。
最大の見どころは、オーナーに内緒で用意したサプライズ演出です。関係者から集めたメッセージ映像を店内で初めて見てもらい、仕込んだカメラでその瞬間を撮影。思わずこぼれた涙が、物語に確かな重みを添える結果となりました。ドローンによる街の俯瞰、少人数チームが切り取った声、サプライズで揺れた感情。そのすべてが合わさり、物語としての見応えと事業への共感を両立させる一本が完成しました。





