白山神社 “お稚児さんを未来へ”

白山神社で受け継がれる「お稚児さん」を紹介する動画を制作しました。子どもたちが神楽を舞うお稚児さんの文化を伝え、子どもたちに参加してもらうことが目的。美しい舞や楽しんでいる表情を見せることで、同世代の子どもに「やってみたい」と思ってもらえる動画を目指しました。

Client

新潟総鎮守 白山神社 様

Category

Play Movie

00:02:49

01 Planning

子どもたちが見て「楽しそう」と思える動画に

神社で舞を奉納したり、お祭りの稚児行列で街を練り歩いたりする「お稚児さん」。昔はどの神社でも当たり前の文化でしたが、近年は参加する子どもたちが減少。行事そのものが失われてしまった神社も少なくありません。新潟市の白山神社でも、存続が危ぶまれながらも300年以上受け継がれてきましたが、参加者は年々減少しています。そこでお稚児さんの歴史と文化を知ってもらい、参加したいと思う子どもを増やすことを目的に、動画制作のご依頼をいただきました。動画のターゲットは、親御さんもさることながら、やはりメインは子どもたちです。子どもたちが見て純粋に「楽しそう」「かっこいい」「やってみたい」と思える動画を作るという方向性が決まり、撮影がスタートしました。

02 Making

撮影方法を工夫し、自然なリアクションを引き出す

白山神社のお稚児さんは全員小学生です。そこに知らない大人がカメラを持って現れたら、緊張するのは当然のこと。子どもたちに心を開いてもらえるよう、MADのスタッフは撮影以外の時間帯もコミュニケーションを取って場を和ませるようにしました。一方で、本番の舞はとても静かで緊張感の高まる時間です。集中するお稚児さんを邪魔しないよう、カメラマンというよりも「一人の応援者」という心構えで撮影に臨みました。無事に舞が終わると、場の空気は一気に和やかになります。そのメリハリを映像でも表現するため、後半は子どもたちの素の笑顔や言葉を多く入れ込みました。特にインタビューでは、カメラを構えつつも、カメラマンの目線は子どもに。「今日、どうだった?」と普通の会話するように話しかけることで、子どもたちもリラックスして質問に答えてくれました。子どもたちとカメラマンがハイタッチをする場面は、その場で思いつき撮影。楽しそうな笑顔やリアクションを撮ることができ、動画にいいメリハリを与えるシーンになりました。

03 Response

言葉ではなく、胸を打つ映像で訴えかける

動画を見てもらうと分かりますが、「お稚児さん募集」「みなさんも参加しませんか」といった応募を促すワードは一切出てきません。撮影で印象的だったのは、小学生がこんな表情をするんだ、と胸を打たれるほどの子どもたちの真剣なまなざしです。応募を直接的に呼びかけるよりも、そうした子どもたちの輝く姿を素直に見せたいと考えました。お稚児さんの美しさを引き立たせるため、練習風景に重ねてお稚児さんの由来を説明する序盤と、本番の舞との間に少し長めの暗転を入れました。暗闇から鈴の音が響き、神聖さが一層際立ちます。神社の宮司さんも「きれいな映像と真剣なまなざし、普段のあどけない表情が対照的で良かったです。お稚児さんを次の世代に引き継ぐ一助になればと思います」と、大変喜んでくださいました。動画はYouTubeで公開中です。MADのスタッフも刺激をもらったお稚児さんたちの勇姿を、ぜひご覧ください。